現代国際関係学叢書第1巻

『国際組織・国際制度』

 

編・著者:山本 武彦 玉井 雅隆

判型:A5判・並製・342ページ

発行日:2017928

ISBN9784904180785

定価:2,700円+税

 

これまでにも、国際関係研究に関わる叢書がいくつか刊行されてきたが、本叢書もその流れに沿うものであり、これまで世に出てきた叢書と性格のまったく異なる内容を構成するわけではない。ただ、この叢書では比較的若い世代の研究者を執筆者に据えることを心掛け、より挑戦的で既存の研究枠組みに必ずしもとらわれない新鮮な問題関心から執筆していただくことを念頭に置き、執筆陣を配置した。この方針が読者の方々にどれほどご理解を頂けたかは、それぞれの巻をお目通しいただいた読者の方々からの忌憚のないご批評を待つほかない。

                                「現代国際関係学叢書の刊行にあたって」より 

 

《目 次》

現代国際関係学叢書刊行にあたって / i

はしがき / 1

第1部 現代の国際組織と制度をめぐる理論

第1章 現代国際組織・制度論の理論的基礎

―国際レジーム論とグローバル・ガバナンス論の接点― / 山本 武彦

1.はじめに / 5

2.国際組織・国際制度の簇生と国際レジーム論 ―国際安全保障の意義の多元化との関連で― / 6

3.国際レジームを拘束し続ける主権規範 / 11

4.国際レジーム規範とレジーム内ガバナンスの乖離 / 15

5.むすび / 17

第2章 諸国際レジームを繋ぎ合わせる国際連合 / 玉井 雅孝

1.はじめに / 21

2.国際連合と地域的国際機構 / 21

3.地域的国際機構との連携の実際 / 22

4.諸国際レジームを束ねる存在としての国連 / 28

5.諸レジームを繋ぎ合わせる国連―その現状とこれから― / 30

第3章 国際機構がつくる平和-「牙」なき国際機構は無力か? / 三牧 聖子

1.はじめに / 35

2.2つの連盟像の対立-強制型連盟と対話型連盟 / 35

3.ダンバートン・オークス会議 ― 4大国の国連構想 / 38

4.サンフランシスコ会議―中小国の国連構想 / 41

4.冷戦下の国連―現実主義者の分析 / 44

5.おわりに / 48

第2部 国際連合の機能と課題

第4章 国際連合の紛争予防に向けた体制:可能性と限界 ―平和的解決の観点から― / 黒田 順子

1.はじめに / 55

2.国連の紛争予防の枠組み / 56

3.歴代国連総長による予防外交に関する方針と実践 / 61

4.紛争予防のための紛争理解、分析、そして実践 / 63

5.調停・仲介の実施の必要要項 / 65

6.国連の調停、仲介、予防的措置の実施―ケーススタディ(1):ケニア / 68

7.ケーススタディ(2):南スーダンの内戦に関連する調停 / 72

8.ケーススタディ(3):東ティモールにおける20064月~6月の危機後の紛争勃発予防 / 76

9.紛争予防に向けた包括的な体制への提言 / 78

第5章 国連平和維持活動の役割の変化 / 加藤 朗

1.はじめに / 87

2.国際紛争の変容とPKOの役割の変化 / 87

3.PKOの役割の変化の背景 / 97

4.おわりに / 106

第6章 ジュネーブ軍縮会議(CD)の成果と課題 / 戸崎 洋史

1.はじめに / 109

2.経緯―CD設立までの軍縮・不拡散交渉 / 109

3.CDの構造 / 112

4.CDの動向 / 114

5.国際システムの変容とCDの停滞 / 119

6.むすびにかえて―CDの再活性化に向けて / 125

第7章 中国と国際連合 / 松村 史紀

1.三つの難問 / 131

2.中国の国連政策史概観 / 132

3.認識―中国からみた国際法・機構― / 138

4.事例研究―国連の安全保障政策と中国― / 140

5.おわりに / 145

第8章 国連とプライベート・セクター 「平和のためのビジネス」を事例として / 庄司 真理子

1.はじめに / 151

2.グローバル・ガバナンス論の三要素 / 151

3.国連グローバル・コンパクトに関する3つの理論的視座 / 157

4.国連グローバル・コンパクト:「平和のためのビジネス」 / 162

5.むすびにかえて / 171

第9章 途上国開発レジームの展開 MDGsまでとその後 ―開発規範の変遷を軸に― / 松田 哲

1.はじめに / 179

2.途上国開発のアジェンダ化と1960年代の開発規範 / 181

3.開発規範の変遷と途上国開発レジームの展開 / 183

4.MDGsレジームとその成果 / 193

5.持続可能な開発目標(SDGs)へ / 199

6.むすびにかえて / 203

第3部 国際制度、地域国際機構の実情と諸課題

10章 国連とジェンダー / 軽部 恵子

1.はじめに / 211

2.男女平等と基本文書の制定 / 213

3.法律上の平等から事実上の平等へ / 217

4.「ジェンダーの平等」を求めて / 220

5.おわりに / 226

11章 国際金融レジームとIMF改革 / 大森 佐和

1.はじめに / 235

2.世界金融危機後の国際金融レジームとIMF / 236

3.主要先進国と途上国に対してのIMFの影響力の相違 / 239

4.IMFで行われている種々の改革 / 241

5.IMFはどこまでかわったか―検討と議論 / 250

12章 「人間の安全保障」レジームの形成と国際機関 / 玉井 秀樹

1.はじめに / 261

2.人間の安全保障というアイデア―UNDPが示した「人間の安全保障」概念 / 263

3.カナダ政府による「翻案」 / 265

4.日本政府による「翻案」と人間の安全保障委員会による「編集」 / 267

5.「人間の安全保障フレンズ」と国連総会決議の採択 / 272

6.「人間の安全保障基金」(UN Trust Fund for Human Security: UNTFHS)の果たす役割 / 275

7.むすび / 278

13章 交渉の場としての国連と「グローバル市民社会」通常兵器規制の事例から / 榎本 珠良

1.はじめに / 283

2.冷戦終結後の通常兵器規制 / 285

3.国連総会を通じた交渉プロセスの展開と「南」の国々 / 287

4.合意文書採択に際する「コンセンサス」問題 / 289

5.2001年行動計画 / 291

6.武器貿易条約(ATT/ 293

7.積極的合意の問題 / 294

8.おわりに / 295

14章 地域国際機構による紛争予防・管理・解決―アフリカの場合― / 加茂 省三

1.はじめに / 301

2.OAUの限界 / 302

3.AUとアフリカの安全保障 / 303

4.AUによる実践と自己解決 / 308

5.おわりに / 314

あとがき / 318

編者・執筆者紹介 / 319

事項索引 / 320

人名索引 / 328 

 

編者・執筆者紹介

編者

1章 山本 武彦 早稲田大学名誉教授(国際関係学)

2章 玉井 雅隆 立命館大学 政策科学部講師(国際関係学)

執筆者

3章 三牧 聖子 高崎経済大学 経済学部国際学科准教授(国際政治学、外交史)

4章 黒田 順子 米国マーシー大学 国際関係・外交学科客員教授(国際機構論、国際交渉、

紛争解決専門)元国連東チモールPKO現地事務所(UNMISET/UNOTIL/

UNMIT)官房長官

5章 加藤 朗  桜美林大学 リベラルアーツ学群教授(国際政治学、安全保障論)

6章 戸﨑 洋史 日本国際問題研究所 軍縮・不拡散促進センター主任研究員(安全保障論、

軍備管理軍縮論)

7章 松村 史紀 宇都宮大学 国際学部 国際学科准教授(政治学、近現代中国論)

8章 庄司真理子 敬愛大学 国際学部教授(国際機構論、グローバル公共政策)

9章 松田 哲  京都女子大学 現代社会学部教授(国際関係論、途上国開発論)

10章 軽部 恵子 桃山学院大学 法学部教授(国際人権法、ジェンダー、アメリカ政治外交)

11章 大森 佐和 国際基督教大学 教養学部上級准教授(国際政治経済、国際公共政策専門)

12章 玉井 秀樹 創価大学 文学部教授(平和学、人間の安全保障)

13章 榎本 珠良 明治大学 研究・知財戦略機構 共同研究員(国際関係論、安全保障研究) 

14章 加茂 省三 名城大学 人間学部教授(政治学、国際関係論、アフリカ研究専攻)

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