アジア太平洋発展論

  著者 伊藤 重行    

判型:A5判・182ページ

発行日:2013年4月15日

ISBN:9784904180273

定価:2,200円+税 

  著者は研究上、あるいはその傍ら海外に多く旅している。本書は、40年の及ぶその体験の中で感じ得た新しい視点をまとめ、時代を担う若者に、世界の中の、そしてアジア、特に北東アジアに位置する日本をどう捉え、行動すべきかを思考させる啓蒙の書である。

著者は、アジアは今やアジア太平洋として大きくまとまり始めている。そして世界をリードする様になってきている、と総括するものの、日本を取り巻く近隣諸国の北朝鮮、韓国、中国、台湾(中国台北)、フイリピンなどの関係は不安定になってきた、と指摘する。

アジア太平洋の発展と新秩序作りにおいて日本の果たすべき役割は何か、が本書「アジア太平洋発展論」の核心に他ならない。

著者は、本書の中で(第九章、二.二十一世紀におけるアジア太平洋の秩序観)、個々の国家の国際秩序観について論述している。その一つは米国の個人主義思想中心の秩序観であり、また別の一つは全体主義思想中心の秩序観である。この二つの秩序観についての限界なり問題なりは改めて指摘するまでもないであろう。

ここで著者はシステム主義と言う概念を取り上げ、これは個人主義や全体主義を乗り越えようとして案出された極めて人類の未来にとって有望な考え方である、と紹介している。

 やや難解な部分もあるが詳しくは本書を参照されたい。要は世界・アジアにおける我が国日本の経営思想ともいうべきもので、このシステム主義の基づく価値観を重視する国家群として他に、韓国、台湾、シンガポールがあり、アジア太平洋の秩序観はこの考え方に沿って、ゆっくりと自己組織化しながら安定した秩序が形成されていくことになる、としている。

本書・アジア太平洋発展論の論拠がここにある。是非一読されたい。

 

著者紹介

1943年 北海道生まれ

明治大学大学院政経研究科博士課程修了

経済学博士号取得(九州大学)

博士(政治学)取得(明治大学政経学部)

藍綬褒章受章

現在: 松蔭大学教授(経営文化学部経営法学科)、その他学会理事多数

専攻:政治学

主著:釧路湿原の聖人・長谷川光二―永遠なる人間像(学文社、2005年)

ホワイトヘッドの政治理論(学文社、2008年)                                       専門書↑

 

     

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