経済制裁の研究 

経済制裁の政治経済学的位置づけ  

 

編・著者:臼井 実稲子 奥迫 元 山本 武彦 

判型:A5判・並製・256ページ  

発行日:2017年3月10日  

ISBN   : 978-904180716  

定価:3,800円+税   

 

 本書では、現代国際社会で発現されてきた経済制裁の国際間現象について、まず国際政治学の理論的側面から検討され、また民間セクターによる国際間制裁について理論的考察が加えられる。そして、制裁の歴史的一面として冷戦期の中国とソ連との間の核協力関係の変化をソ連による制裁という視角から検討を加え、さらに実態面についても国連による経済制裁について、(1)国連の重要な規範として定着した感のある「保護する責任」と「カウンター・テロリズム」との関係性を念頭に置いて国連制裁の変容が検討され、(2)国連制裁実施の重要な規範概念となっている「スマート・サンクション」の内実が詳細に剔抉される。さらに、(3)最近の国連制裁のなかでも強い関心を引き付けてきた、対イラン制裁と対北朝鮮制裁の緊張を孕んだ実相が分析され、(4)世界各地で頻発する地域紛争に係って実施されてきた国連制裁が紛争の和平交渉にどのように影響を及ぼしてきたかが、統計解析を施しながら分析される。 

また、国際行為体としての非国家主体が制裁のターゲットになりうる事例としてマイノリティに焦点を合わせ、個別国家内部でのマイノリティに対する制裁(内国制裁)の実態が分析され、同時に特定の財をめぐる紛争に着目して人間の生存に不可欠な水をめぐるマレーシアとシンガポールとの間の紛争が、経済制裁という視角から描き出される。

                                 本書 序文より 

目次  

I部 経済制裁の理論と方法 

第1章 グローバル化時代における経済制裁をめぐる理論的再検討―経済制裁のグローバル・ガバナンスを求めて―

    奥迫 元(早稲田大学准教授) 

第2章 「民」の経済制裁 

     宮脇 昇(立命館大学教授) 

第3章 ECEU制裁政策とEU機能条約第346条 

     臼井 実稲子(駒沢女子大学教授) 

第4章 イラン核開発を巡る米国経済制裁の国際法上の合法性

      水谷 元海(名古屋大学大学院博士後期課程院生)  

第Ⅱ部 なぜ経済制裁を行うのか 

第5章 マイノリティと制裁

    玉井 雅隆(立命館大学講師) 

第6章 国連制裁と和平交渉―補完的関係に発展する可能性― 

    トーマス・ビアステッカー・訳 水谷 元海(ジュネーブ高等国際開発院教授) 

第7章 国家間関係における水制裁の展望-マレーシア・シンガポール間の事例から- 

    玉井 良尚(立命館大学大学院博士後期課程院生)  

第Ⅲ部 経済制裁の主体と方法の関連 

第8章 国連の対北朝鮮経済制裁はなぜ成功しないか ―国連経済制裁の限界に関する一研究 

     山本 武彦(早稲田大学名誉教授) 

第9章 国連制裁の現代的展開―保護する責任からカウンター・テロリズムへ― 

        庄司 真理子(敬愛学園大学教授) 

第10章 国連によるスマート・サンクション 

        本多 美樹(早稲田大学准教授) 

第11章 ソ連の対中国制裁―核分有体制の蹉跌(1955-60年)― 

        松村 史紀(宇都宮大学准教授)

 

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