イデオロギーとテロル(第1部)  

― 共産主義的全体主義体制における恐怖と狂気のシンフォニー ― 

 

著者:小沼 堅司  

判型:A5判・上製・302ページ  

発行日:2016年3月12日  

ISBN:9784904180570 

定価:2,700円+税

 

 

 

本書は、二〇世紀の共産主義的全体主義独裁体制における恐怖(テロル)と狂気(イデオロギー)のドラマを直視しようとする試みである。

 

第一章「知識人の阿片」は、正統的教義(マルクス‐レーニン主義のイデオロギー)に基づく共産主義体制が、抽象的理念を実現しようとしてテロル装置を整備し、恐怖政治を正当化するという悲劇的な逆説を主題とする。 

第二章「全体主義の予備的、一般的考察」では、イデオロギーとテロルの言葉の起原と展開をフランス革命にまでたどって考察した後、ナチズムとコミュニズムという左右の全体主義の呼応関係を、「総力戦」として戦われた第一次世界大戦と反ブルジョア精神を基軸に分析する。 

第三章「左翼全体主義――レーニンと十月クーデタ」では、まずソ連とソ連共産党の崩壊後に明らかになった新資料に基づく研究に即して、従来の「十月革命」はレーニンを主力とするクーデタでしかなく、真に革命と呼ぶに値するのは二月革命のみであることを説明し、この十月クーデタの実態を明らかにする。 

本書では、イデオロギーとテロルによる全体主義政治(主題)を、いわば旋律を変えながら繰り返して説明している。一つの主題を様々な旋律によって演奏することによって見えてくるものがあると考えている。二〇世紀の全体主義を理解するための一つの方法であると理解していただきたい。本書に続く第二部では、スターリン主義全体主義、毛沢東主義全体主義、北朝鮮全体主義、ポル・ポト政権(カンボジア)における毛沢東全体主義の原始的再演を考察する計画である。 

                                              著者 まえがき より 

 

著者紹介 

小沼 堅司(おぬま けんじ) 

1968年 中央大学法学部法律学科卒業 

1971年 中央大学大学院法学研究科政治学科専攻修士課程修了 

1974年 明治大学大学院政治経済学研究科政治学専攻博士課程修了 

1985年 専修大学法学部教授(現在に至る) 

    政治学博士 

主要著作 

『ユートピアの鎖――全体主義の歴史経験』成文社、2003年、他

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